「税理士に顧問料を払う本当の理由」レビュー

「税理士に顧問料を払う本当の理由」

著者:山下健一

についてのレビューです。

要約すると以下のとおりです。

  • 経営者の年商規模や目指す方向性によって、選ぶべき税理士は異なる。
  • 税理士は、レベル1~レベル5に分けられる。
  • レベル3以上の税理士を選ぶべきである。
  • 税理士のレベルの見分け方は次のとおり。
    「新たな取り組み」を行うことについての意見を求め、その反応ぶりで見分ける。

経営者の年商別区分

年商~2,000万円規模

税理士によって何かが大きく変わることはない

税理士にアドバイスを求めるのではなく、まず自分がやるべきことをやる

困ったことに丁寧に対応してくれる税理士が望ましい

年商5,000万円規模

税務調査の対象となってくる

事業拡大、現状堅持のどちらかの方針を選ぶべき

方針にあった税理士を選ぶ

年商1~3億円規模

経理態勢の整備が必要

売却・上場を目指すなら内部留保を増やすのが得意な税理士を選ぶ

事業承継・閉業を考えるなら節税が得意な税理士を選ぶ

税理士のレベル分け

レベル1

税務処理が雑でミスが多い

報酬は安い

レベル2

税理士としての仕事はする

アドバイスは少ない

報酬は高め

レベル3

相談に乗ってくれる

レスポンスが早い

適正な報酬額

レベル4

能動的に問題解決に努めてくれる

報酬は高め

レベル5

事業計画のサポートあり

上場に導く力あり

税理士の分布

  • レベル1とレベル2の税理士が6~7割
  • レベル3とレベル4が3割ぐらい
  • レベル5は1000人税理士がいてそのうち4~5人ぐらい

おおよその月額報酬金額のイメージ(年商5,000万円規模の会社の場合)

  • レベル1は1万5千~2万円ぐらい
  • レベル2は4万~5万円ぐらい
  • レベル3は2万円ぐらい
  • レベル4は4万円ぐらい
  • レベル5は最低でも10万円ぐらい

私が、「なるほどなぁ」と思った部分(引用)

何も提案してくれないと不満を抱いている経営者も、実は自社の事業に興味を持ってくれないという意味で言っていることがあります。

数は少ないですが、税理士の中にもコミュニケーションや提案が得意な方はいますが、そもそも税理士になる方は提案が苦手です。

なぜなら、変化が苦手であるからこそ安定した資格を活かした仕事に就こうとしているのです。

人と会うことが好きな営業畑の方に、なぜ税務などの細かい計算や管理が苦手なのかを聞いているようなものです。

企画や戦略を練るのが好きならば、最初から他の仕事を選んでいることでしょう。

レベル2の税理士と付き合っている経営者は費用を払っているのに何もしてくれないと感じている人が多く、その結果「安いほうが良い」と考えてレベル1の税理士に変えてしまうことが多いのです。

そうなるとますます何もしてくれないどころかミスが多いと感じるようになり、「税理士なんてろくな人がいない」と結論付けてしまうのです。

それが続いて、レベル1とレベル2の税理士を何度も交換している経営者もいるぐらいです。


ダメな税理士を見分ける質問をご紹介します。


新たにやりたい事がある際に税理士に「新たに〇〇をやろうと思っているが、どう思いますか?」と聞いてみて下さい。

レベル1・2の税理士は、「勝手にやればいいんじゃないですか」と無関心な返事を返してくるか、「ダメ!絶対やめた方がいい!」と理由の説明もなく一方的に反対してきます。

レベル3以上の税理士は、事前に想定されるリスクを教えてくれ、決して結論は言わず経営者の決断を優先し応援してくれることでしょう。

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