<丸作製麺へのコンサル-6>ポジショニングマップ

(「丸作製麺」という仮想顧客に対するコンサルティングです)

前回は「売上分解ツリー」により、新規顧客獲得の重要性について確認しました。

今回は「新規顧客数を増やす」ことを目的として戦略を練っていくことにします。


ここで、STP分析を行いたいと思います。

STP分析(Segmentation, Targeting, Positioning Analysis)は

マーケティング戦略を練るにあたってのフレームワークです。

STP分析のステップは次のとおりです。

市場細分化(Segmentation)

市場を異なるセグメント(区分)に分けます。

以下の4つの変数で分ける場合が多いようです。

地理的変数:

一般的に、立地、都市の規模、地域、気候、文化、国などで分けます。

新規出店するのであれば、地理的変数は非常に大事であると思います。

しかし、「丸作製麺」のマーケティング戦略の検討においては、店舗地は不動と考えたいと思います。

よって、変数となるのは顧客側における地理的条件でしょう。


  • 丸作製麺の店舗から近いエリアの顧客か。遠いエリアの顧客か。
  • 丸作製麺の駐車場に入りやすい顧客(宇都宮市西部方面へ走行)か。
    入りにくい顧客(宇都宮市中心部へ走行)か。
     ※片側二車線の道路に面した店舗であるため。

※今回は、「新規顧客数を増やす」ことを目的として分析しています。

よって、今までアプローチできていないセグメントを確認したいと思います。

その中で、対象となりうる一定のボリュームがあるセグメントを太字表記とします。

人口動態変数:

  1. 年齢: 幼児、子供、ティーンエイジャー、若者、中年、高齢者など。
  2. 性別: 男性、女性、その他性別。
  3. 家族構成: 単身世帯、核家族、拡大家族、未婚カップル、高齢者世帯、同性カップルなど。
  4. 収入層: 低所得、中所得、高所得層、超富裕層、年金生活者、学生など。
  5. 学歴: 高校卒業生、大学卒業生、修士号取得者、博士号取得者、中途退学者など。

上記のようなセグメントの分け方があります。

心理的変数:

  1. 購買動機: 価格感応派、品質志向派、ブランド信者、新しい体験を求める者、社会的ステータス志向など。
  2. 価値観: 環境保護主義者、社会的責任感のある消費者、個人主義者、共同体志向者、宗教的価値観など。
  3. ライフスタイル: アウトドア愛好者、都市派、家庭中心のライフスタイル、アート愛好者、冒険好きなど。
  4. ブランド忠誠度: 特定のブランドに忠実な消費者、競合ブランドを試す消費者、価格重視派など。
  5. 意識的消費者: フェアトレード製品購入者、エシカル(倫理的)消費者、オーガニック製品愛用者など。

行動変数:

  1. 購買頻度: 頻繁な購買者、時折購入する者、季節的な購入者、非常に希に購入する者など。
  2. 購買金額: 高額購買者、中程度の購買者、低額購買者、倹約家など。
  3. 製品使用頻度: 頻繁に使用する者、週末のみ使用する者、特別な機会に使用する者、定期的に使用する者など。
  4. オンラインショッピングの利用: オンライン派、実店舗派、モバイルアプリ派、直販派など。
  5. ソーシャルメディア活用: ソーシャルメディア中毒者、情報収集派、ソーシャルメディア嫌いな者、投稿者など。

ターゲット顧客の選定(Targeting)

次に、ターゲット顧客を選定したいと思います。

今までアプローチできていないセグメントは以下のとおりです。

遠いエリアの顧客、入りにくい顧客(宇都宮市中心部へ走行)、

女性、中所得・高所得層、品質志向派、

オーガニック製品愛用者、オンライン派、情報収集派



これらのキーワードから、以下のようなターゲット顧客像を想定します。

  1. 女性
  2. 一定の所得があり、定期的に外食をしている
  3. 健康への意識が高い
  4. 店選びには、WEB情報を比較検討する
  5. 気に入った店であれば、少し遠くても車で出向く


上記1~5の属性のいずれか、または複数を併せ持つセグメントを

「NEWターゲット顧客」(今までアプローチできていないターゲット顧客)と設定します。

ポジショニングの確立(Positioning)

最後に、設定したNEWターゲット顧客に対してのポジショニングマップをつくりました。

ある程度、想像や仮定を踏まえたポジショニングマップですが、

違和感はないと言えるのではないでしょうか。

最後に、NEWターゲット顧客に対する4P戦略を練りました。

黒字がこれまでの取り組み、赤字が今回追加する取り組みです

4P戦略 内容取り組み
Product製品何を売るか?・一般的な讃岐うどん
・こだわりの国産小麦粉100%使用
・レディースセットを開始
(副菜を充実させてデザートを提供)
・「国産」「合成着色料不使用」など
健康に良い点を大きくアピール
Price価格いくらで売るか?・かけうどん580円
・ランチセット(丼もの+小うどん)800円
・高価格帯セットの開発
Place立地・流通・お店の立地は?
・どうやって届けるか?
・宇都宮駅と宇都宮市内西部地域をつなぐ主要道(片側2車線)沿いに立地
・店内での提供のほかテイクアウトも実施している
・テイクアウトの存在を大きくアピール
・テイクアウトしやすい態勢整備
Promotion宣伝・販売促進どうやって知ってもらうか?・自社のホームページはない
・無料の範囲で「食べログ」「ぐるなび」を利用している
・たまに地域のフリーペーパーに掲載をしている
・自社のホームページを設置する
・SNS(インスタ等)を開始する
・看板、ディスプレイを強化する

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