<丸作製麺へのコンサル-4>PEST分析・5F分析・クロスSWOT分析

(仮想顧客(丸作製麺)に対するコンサルティングです)

借入分について「リスケ」を実施したことにより、まずは止血(資金の流出を減らす)ができました。

そして、経費・支出の把握(見える化)にも取り組み始めました。

これにより、経営改善に取りかかる土台ができたと思います。

さて、経営改善の方向性を検討するにあたり、SWOT分析を行いたいと思います。



SWOT分析とは、内部環境(自社の強み(S)、弱み(W))、外部環境(機会(O)、脅威(T))を整理し、自社の課題を把握するフレームワークです。

そして、クロスSWOT分析とは、「強み×機会」、「強み×脅威」、「弱み×機会」、「弱み×脅威」と組み合わせ、今後とるべき戦略を練るフレームワークです。

いきなり、「SWOT分析」にとりかかっても良いのですが。

分析に必要な材料をそろえてからの方がやりやすいと思います。

ここでは、PEST分析→5F分析→SWOT分析の流れとしたいと思います。

まず、外部環境を分析するにあたり「PEST分析」を行うことにします。

PEST分析は、マクロの外部環境を分析するフレームワークです。

PEST分析

P政治的要因法規制、規制緩和、増税、補助金、
外交、政権交代
テイクアウト・宅配は軽減税率8%
E経済的要因景気、物価、個人消費、雇用、株価、
経済成長率、為替
物価高騰
個人消費の落ち込み
S社会的要因少子高齢化、ライフスタイル、流行、
社会問題、健康、世論、教育、宗教
高齢者の増加
健康志向の増加
T技術的要因IT、AI、イノベーション、インフラ、
代替技術、特許
IT技術の普及



丸作製麺はうどん店(飲食業)です。

特殊な業界ではないので、PEST分析では特に気になるところはありませんね。

これが特殊な業界だと、法規制、為替、イノベーションなどの検討が重要となります。

(例えば医療業、中古車輸出業、タクシー業、太陽光発電関連など。)

次は5フォース分析です。ミクロの外部環境を分析するフレームワークです。

ファイブフォース分析

<新規参入の脅威>
新規うどん店進出の可能性
参入障壁は低い
<売り手(供給業者)の交渉力>
国産小麦粉の仕入先は1社で
仕入価格は先方の言い値
<業界内の競合>
近隣にうどん店はない
<買い手の交渉力>
消費者側の選択の幅は大きい
価格に敏感である
<代替品の脅威>
手軽な商品がライバル
コンビニ
ファストフード
冷凍食品

5F分析でのポイントは以下ですね。

・消費者側の選択の幅は大きい。

・うどん店というよりは、手軽な商品(コンビニ、ファストフード、冷凍食品)がライバルである。


以上の外部環境分析を基に、

順番1 SWOT分析における外部環境分析

順番2 SWOT分析における内部環境分析

の順番で整理します。

この順番には意味があります。

外部環境は、基本的に受け入れざるを得ないものであります。

外部環境を前提に、それに対応する形で内部環境が決まってくるからです。

内部環境分析にあたっては、以前に実施した、4P分析、3C分析、経営資源分析を材料にしたいと思います。

また、当HPで主軸としている「自社の見える化」「売上は方程式」「借入力の強化」の視点も入れていくことにします。

SWOT分析

内部環境<強み>Strengths
(自社の強みは何か)
・こだわりの国産小麦粉100%使用
・コスパの良い店として認知
・長女(21歳 大学3年生)
、長男(17歳 高校2年生)あり
・広い駐車場(12台スペース)
・主要道(片側2車線)沿いに立地
・テイクアウトはすでに実施
<弱み>Weaknesses
(自社の弱みは何か)
・経営管理の見える化が不十分
・集客力が弱い(HPなし、SNS未活用)
・手元資金が少ない
・金融機関からの資金調達力が弱い
・固定客リストはない
・顧客のニーズ把握が不十分
・仕入価格に削減の余地あり
・教育費負担が大きい
外部環境<機会>Opportunities
(自社に有利な状況は何か)
・テイクアウト需要が増加している
・ウーバーイーツが普及しつつある
・健康志向の消費者が増えている
・近隣にうどん店はない
・ITの活用がしやすくなっている
・高齢者の割合が増加している
・SNS等の口コミ評価が影響大
<脅威>Threats
(自社に不利な状況は何か)
・物価高騰
・個人消費の落ち込み
・コンビニ、ファストフード等がライバル
・近隣にうどん店出店の可能性あり
・コロナ禍等で外食習慣が減少
・若者の割合が減少している
・SNS等の口コミ評価が影響大

次にクロスSWOT分析を行います。

これについては、頭をしぼり出して時間をかけて考えました。

いろいろな観点から検討したつもりです。

クロスSWOT分析

<強み>Strengths<弱み>Weaknesses
<機会>
Opportunities
強み×機会
(強みを生かして機会をつかむ)
「積極戦略」
・安全、健康を大きく打ち出す
・好立地・コスパで遠方客確保
・娘等によるSNS運用のサポート
・テイクアウト予約アプリの導入
・ドライブスルーの実施
・高齢者向けサービスの検討
弱み×機会
(機会を逃さないよう弱みを改善)
「改善戦略」
・HP、SNS、アプリの環境整備
・広告宣伝活動の改善強化
・LINE活用等で固定客化
・新たな取引金融機関の確保
・サブスクの導入
・アンケート等でニーズの把握
・奨学金の利用
<脅威>
Threats
強み×脅威
(強みを生かして脅威を抑える)
「差別化戦略」
・特長のあるメニューの開発
・コンビニ等との差別化
・中食ニーズへの対応
・うどん自販機の設置
・二毛作ビジネス(昼夜別業態)
・好立地武器に他社との提携
(セミナー、イベントの開催等)
弱み×脅威
(弱みを受け入れ脅威を避ける)
「防衛回避戦略」
・うどん、そうざい販売店への移行
・他社への卸
・高齢者向け給食
・新分野の検討
(手打ちうどん教室など)
・他で勤務収入等を得る

さて、クロスSWOT分析まで実施しました。

どの戦略のどの項目を優先して行うべきか、検討するところでありますが。

ここまで分析してきて、思うところは・・・

「丸作製麵は、やるべきことがまだできていない。」

ということです。



・広告宣伝活動による新規顧客確保

・顧客のリピーター化

・顧客の分析とニーズの把握

上記のような、基本的な取り組みができていないように思います。



基本ができていないのに、

「ドライブスルーの実施」

「サブスクの導入」

「うどん自販機の設置」

などというのは、リスクが高すぎると考えます。


ゆえに、クロスSWOT分析における、以下の基本的項目に取り組んでいくことにします。

・安全、健康を大きく打ち出す

・好立地・コスパで遠方客確保

・HP、SNS、アプリの環境整備

・広告宣伝活動の改善強化

・LINE活用等で固定客化

・特長のあるメニューの開発

・コンビニ等との差別化

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