(仮想顧客に対するコンサルティングです)
オンライン面談で、いろいろお伺いできました。今回の経営コンサルで、渡辺さんが希望することは以下のとおりです。
優先順位1 高校生である長男が大学を卒業するまでは、何とかやりくりをつけて生活していきたい。
優先順位2 今までがんばって続けてきたお店なので、これからも出来る限り続けたい。
優先順位3 将来的には娘、または息子にお店を継いで欲しい。借金を減らし、安心してお店を渡せるようにしたい。
渡辺さんの希望はもっともだと思います。
子供を社会に送り出すまでは頑張らないと!と思いますよね。親心ですね。
さて、経営改善に向け、まず何から手をつけるべきかという話です。
丸作製麺の財務状況は、今後くわしく確認する予定ですが・・・。
ZOOMでのヒアリングでは、月の売上は1,300千円程とのことです。
借入の元金返済(月▲150千円)や生活費を差し引くと、手元資金は少しずつ減っている状況とのことです。
現在負担が大きいのは、借入金の元金返済(月▲150千円)ですね。
これをどうにかすべきでしょう。
ご存知の方も多いとは思いますが、借入金の返済についてはリスケジュール(返済条件変更)というものが可能です。
「リスケ」と略すことも多いですね。
もちろん、リスケをしてもらうには金融機関の了承が必要となりますが、よほどの特殊事情がなければ認められます。
ただし、ほとんどの借入は「信用保証協会」の保証付きでしょうから、リスケに伴う追加の保証料を支払う必要があります。
渡辺さんに電話をして、みや信用金庫へリスケの相談を提案したところ、以下の回答でした。
「リスケをすると、追加保証料を支払う必要があるのでもったいなくて。
また、一度リスケをすると、融資を今後受けづらくなると信用金庫の担当者に言われまして。」
私は以下のように説明します。
『いやいや、リスケをしないと手元資金がどんどん無くなりますよ。
お話をお伺いしたところ、今現在、月々の収支はマイナス100千円くらいであると思われます。
このままだと、約1年後には手元資金がゼロになります。
経営改善に取り組むには、多少なりともお金が必要です。
追加保証料は確かにもったいないかもしれません。
しかし、それよりも優先すべきは収支のマイナスをなんとかすることです。
リスケをすると融資を受けづらくなると言われたとのことですね。
でも、既に融資は難しいと言われたのですから気にしても仕方のないことです。』
力をこめての説明です。
「なるほど、確かにそうですね。分かりました!
明日、信金にリスケの相談に行ってきます。」
と渡辺さんの返事がありました。
後日話をきくと、無事にリスケの手続きがとれたとのことです。
今後1年間について、元金の支払いは0となりました(元金据置)。
なお、追加の保証料は残高12,000千円×保証料率(年1.0%)=120千円であったとのことです。
経営改善というと、売上・利益を増やすことに目を向けがちです。
しかし、いくら利益を稼いでも支出が多ければお金は貯まりません。
売上(収入)は、相手があることなのでコントロールできない部分も多いです。
しかし支出(経費)は自分でコントロールできます。
経営改善に向け、まず取り組むべきは、支出を減らすことです。
なぜなら、大げさに言えば、支出を減らすことができる確率は100%なのですから。
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